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AEDを知っていますか?「名前は聞いたことがある」「何の用途に使われているか知っている」「訓練された」等さまざまな答えがあると思います。
AEDは、誰でも簡単に使用でき、命を救うことができる医療機器です。一人ひとりがAEDに関する正しい知識を身につけ、タイ全土でAEDがこれまで以上に普及することを願っています。
AEDとは?
AEDとは「Automatic External Defibrillator」の略です。AEDはその名の通り「細動を自動的に取り除く装置」です。
何らかの原因で心臓が痙攣すると、AEDが心臓の状態を自動で分析し、電気ショックが必要かどうかを判断します。
使いやすい装置で、医学的知識のない一般市民(非医療従事者)でも、音声アナウンスに従うことで救命活動を行うことができます。突然の心停止は、いつでも誰にでも起こり得ます。
AEDへの理解が少しでも深まることで、一人の尊い命を救うことができるかもしれません。
なぜAEDが必要なのですか?
心臓が痙攣を起こし続け、全身に血液を送り出せなくなると、何もしなければ生存率はどんどん下がっていきます。また、生き延びたとしても、脳に深刻な損傷が残る可能性があります。
そうなる前に、心室の電気信号を回復させ、痙攣している心臓を通常の状態に戻すために電気ショックを与える必要があります。AEDは電気ショックを与える役割を担っています。
AEDは、電極パッドを体に取り付けることで、電気ショックが必要かどうかを自動的に分析し判断します。
誤ってボタンを押しても、電気ショックが必要ない場合は電流は流れません。
心室細動とは何ですか?
心室細動は、心室が震えて痙攣している状態です。
心室細動は、心臓病や遺伝学の人だけでなく、ジョギングや運動、胸にボールが当たった時などさまざまな理由で発生する可能性があります。
この状態では、心室はポンプとしてうまく機能せず、心臓は全身に血液を送り出すことができません。全身への血液供給が途絶えると「心停止」という状態になります。
数分後には呼吸が停止し、血液は脳、腎臓、肝臓などの重要な臓器に届かず、最終的には危機的な状態になります。
心室細動と生存率
心室細動が起こり、脳から酸素が奪われると、生存率は毎分7%から10%低下します。
何もせずに10分以上放置すると、死に至る場合もあります。タイでは、救急車が到着するまでに10分以上かかる場合もあります。
現場にいたバイスタンダー(偶然居合わせた人)がAEDを使って電気ショックを与えるのがどれだけ早いかがポイントです。
ちなみに、アメリカのシアトルは、世界で最も救命率の高い地域です。現場に居合わせた市民の応急手当実施率の高さが、高い救命率につながっています。
救命事例
2022年3月、日本の中学校教師で、特に健康上の問題がなかった31歳の男性が部活動中に突然倒れました。
2ヶ月前の授業でAEDや心肺蘇生法の使い方をたまたま習った生徒が病院に電話し、交代で胸骨圧迫とAEDを使い、救急車が来るのを待ちました。
中学生の迅速な対応のおかげで、先生は回復し、1ヶ月後には仕事に復帰することができました。このような事例は、日本でも世界でもたくさんあります。
現在、タイにおけるAEDの認知度はまだ十分ではないです。命を救うことは、医師や看護師だけの義務ではありません。国民一人ひとりの意識を変えることが、生存率や救命者数の増加につながります。
終わりに
ALSOKは、AEDの販売だけでなく、AEDや心肺蘇生法の使い方に関する講義や研修も行っています。これらの活動を通じて、今後タイでAEDが普及することを期待しています。
詳しくは、最寄りのALSOK営業所までお問い合わせください。